中動態のデザイン
内容
講師 | 日時 | 場所 | 定員 | 受講料 |
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日詰 明男 |
2024年7月26日(金) 13:00-17:20 |
小平キャンパス 1号館1112教室 (津田梅子記念交流館から 1112教室へ変更になりました。) |
50人 |
2,000円 在学生1,000円 |
主な内容
世界に秘められた「再現性」を探索する知的冒険
直観とヒューマニズムの学
黄金比に基づく無限の造形や音楽をめぐって
たとえば子どもの頃、眠れぬ夜に独り、ふと夜空の星々を眺めながら、宇宙について思いを馳せたときのことを思い出してください。
エゴは消え、光よりも速く時空を旅し、一瞬で宇宙の果てに達するかのような思惟に耽っていたのではないでしょうか?
心は不思議と集中し、ときめきながら。
そのとき当人は当人自身を含めた宇宙全体を観測しているとも言えましょう。
そのような精神活動において、もとより科学、芸術、宗教、哲学などの境界は消失します。
他者から命ぜられるわけでもなく、依頼されたわけでもなく、富とか名誉とかのためでもなく、ただただそうせずにはいられない純粋な衝動。
誰もが持つこの種の衝動は「能動態」でも「受動態」でもなく、「中動態」と呼ばれます。
私の幾何学的作品はどれも中動態からのギフトとして得たものばかりです。
面白いことに、そうした「純粋発明」から、予想もしなかった工学的機能が次々と見つかりました。
私の場合「必要は発明の母」ではなく、「発明は必要の母」であることがほとんどです。
そしてほどなく、その多くは自然界によって何億年も前に発明されていたことに気付くのです。
比喩でなく、自然界こそ偉大な中動態のデザイナーというべきではないでしょうか。
時間詳細:13:00-17:20(13:00-15:00、休憩時間20分、15:20-17:20)
講師ウェブサイト:STAR CAGE 星籠(ほしかご)
講師のプロフィール
日詰 明男(ひづめ あきお) www.starcage.org幾何学アーティスト。
武蔵野美術大学特別講師(2008-)、龍谷大学先端理工学部客員教授(2009-2023)、多摩美術大学非常勤講
師(2023-)、津田塾大学交流館プログラム講師(2023-)。
1960 年長野県生まれ。京都工芸繊維大学建築学科卒業 。
40 年来、黄金比に基づくフラクタル構造を、造形や音楽で表現する仕事を続けている。
主な作品は、「GOETHEANUM 3 (建築案)」、「民主主義的階段」(U.S.A.、ニュージーランド)、
「黄金比の茶室」(コスタリカ、U.S.A.、静岡)、「準結晶彫刻」(オーストリア、U.S.A.、ブラジル)、
「フィボナッチ・トンネル」(京都、東京、岸和田、ロサンゼルス)、「フィボナッチ・ケチャック (たたけたけ)」など。
著書に「生命と建築」(1990)、「音楽の建築」(2006) がある。